抗悪性腫瘍薬の名称や作用機序のゴロ、覚え方

抗悪性腫瘍薬(抗がん剤)は、ある程度分類と名前、名称に関連性があるので、特徴をまとめていきたいと思います。

抗悪性腫瘍薬まとめ

アルキル化薬は、「〜ホスファミド」

例)シクロホスファミド
ホスファミド
覚)アルキル化薬→代謝活性化アクロレイン→出血性膀胱炎→メスナと併用
※他にブスルファン(慢性骨髄性白血病に適応)や、ニムスチン(脳腫瘍に適応)

 

代謝拮抗薬は、「〜プリン」「フル〜」

例)メルカプトプリンフルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン
覚)代謝拮抗薬→DNA合成基(S期)の生合成阻害→プリン、ピリミジン塩基合成阻害。
プリン塩基(A、G)のアデニル酸とグアニル酸は、イノシン酸からできる。メルカプトプリンの活性化体であるチオイノシン酸が類似しており拮抗阻害。
※他にカペシタビン(ドキシフルリジンのプロドラッグ、手足症候群の副作用が有名)。ドキシフルリジンも最終的には5-FUに。ちなみに5-FU系は全て手足症候群の副作用あるよ。

※TS-1
テガフール:5-FU(フルオロウラシル)、抗腫瘍の主役
ギメラシル:5-FUの作用強める、5-FUの肝代謝阻害
オテラシル:副作用(消化管障害)の軽減目的

※FOLFOX→結腸、直腸がんに効く
フルオロウラシル:5-FU
レボホリナート :5-FUの抗腫瘍効果増強
オキサリプラチン:DNA鎖の架橋形成

 

抗腫瘍抗生物質は、「〜ビシン」

例)ドキソルビシン、ダウノルビシン
覚)〜ビシン→DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ阻害、トポイソメラーゼⅡ阻害も。→副作用は心臓系の心毒性が重要。(ドキドキ!)
※他に、ブレオマイシン(活性酵素発生→非酵素的にDNA鎖切断→適応は扁平上皮癌→副作用は肺繊維症、間質性肺炎)、マイトマイシン(2本鎖DNA間に架橋形成)

 

抗腫瘍植物アルカロイドは、「ビン〜」「〜タキセル」

例)ビンクリスチン、ビンプラスチン、パクリタキセル、ドセタキセル
覚)「ビン〜」→ニチニチ草のアルカロイド由来→微小管の重合阻害(M期)→副作用は末梢神経障害、骨髄抑制。
「〜タキセル」→西洋イチイ由来→微小管重合促進(脱重合抑制)→微小管過剰形成、安定化→副作用は末梢神経障害、骨髄抑制。

 

トポイソメラーゼ阻害薬は、イリノテカン、エトポシド

覚)トポイソメラーゼは、リノテカン。副作用は下痢ー、イリー。
※イリノテカンは、トポイソメラーゼⅠ阻害しDNA合成阻害(S期)。適応は、小細胞肺がんなど。副作用の重症下痢が特徴。FOLFIRIの最後ね。
エトポシドは、トポイソメラーゼⅡ阻害しDNA合成阻害(S〜G2期)。適応は、悪性リンパ腫、肺小細胞肺がん。副作用に間質性肺炎。

 

白金製剤は、「〜プラチン」

例)シスプラチン、オキサリプラチン
覚)「〜プラチン」→DNA鎖間に白金架橋形成してS期やM期を阻害。細胞周期非特異的。聴力障害が副作用で有名。高い音。アミノグリコシドは低い音。
※Clを含む溶液で希釈するか、しないか?(実務)
・シスプラチン→しなければいけない(構造式にClがあり、抜けると不安定。常に入る状態にする)
・オキサリプラチン→駄目

抗腫瘍ホルモン関連薬は「〜フェン」「〜ゾール」

例)タモキシフェン、アナストロゾール、レトロゾール
覚)ホルモン受容体遮断か、ホルモン分泌抑制か、ホルモン合成阻害。

 

分子標的薬は、「〜マブ」「〜チニブ」

例)リツキシマブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ
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