ジピリダモールの適応症と用量のゴロ、覚え方

狭いフロより大きな銭湯

狭  :狭心症
フロ :ネフローゼ症候群のタンパク尿
大きな:大用量↓
銭湯 :血栓・塞栓

[適応症と用量] 75mg:狭心症
300mg:ネフローゼ症候群のタンパク尿
300〜400mg:血栓・塞栓

※アデノシン増強薬(=アデノシントランスポーター阻害薬)
※ホスホジエステラーゼ阻害薬

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~ちょこっと解説~
血症板凝集反応は細胞内(血症板内)Ca濃度が高まることにより生じる。
Ca濃度を高める因子として細胞内cAMP↓(Gsタンパク系)、IP3↑(Gqタンパク系)、TXA2↑(アラキドン酸カスケード)がある。
このうち「ジピリダモール」は細胞内cAMPの上昇させることにより細胞内Ca濃度の上昇を抑え、血症板凝集を抑制する。
細胞内cAMPの上昇を抑える機序として①アデノシン増強薬②ホスホジエステラーゼ阻害薬の2つの顔を持っている。
①アデノシン増強薬とは
アデノシンはATPの分解産物であるが、これは血小板膜に発現するA2受容体のリガンドである。
A2受容体はGsタンパク共役型なので、アデニル酸シクラーゼ活性を経て、細胞内cAMPを上昇させる。
つまりアデノシンが血小板に作用すると細胞内cAMP濃度が上がるので、Ca濃度は減少し、抗凝固作用を示す。
アデノシンは赤血球などに取り込まれることで血中濃度が低下するが、ここで赤血球などへの取り込みを阻害(トランスポーター阻害)するのがジピリダモールであり、間接的にアデノシン作用を増強している。
A2受容体は冠動脈にも存在し、アデノシンが結合することで冠動脈の拡張が起こるため、ジピリダモールは狭心症にも適応がある。
②ホスホジエステラーゼ阻害薬
cAMPはホスホジエステラーゼにより5’AMPへと分解され、細胞内cAMPの減少は細胞内Caの増加を招き、血小板は凝集する。
そこでジピリダモールがホスホジエステラーゼを阻害することで細胞内cAMPの減少を防ぎ、血小板凝集を抑制する。

 

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