尿のpHを酸性に傾ける薬のゴロ、覚え方

兄さん、ああもう明日もあそこがビンビン

兄さん　：尿を酸性に
ああもう：塩化アンモニウム
明日も　：アスピリン
あそこがビンビン：アスコルビン酸

マグカップ：酸化マグネシウム
ナ　　　　：炭酸水素ナトリウム
カ　　　　：炭酸カルシウム
アルカリ　：尿pHアルカリ性
焦ったぞ　：アセタゾラミド

薬が排泄される過程では、それぞれの段階での薬物相互作用がある。主に糸球体ろ過での相互作用、尿細管分泌における相互作用、尿細管再吸収における相互作用がある。

・糸球体ろ過の相互作用
→血漿タンパク結合率の強い薬
・尿細管分泌における相互作用
→有機アニオン輸送系、有機カチオン輸送系それぞれの競合
・尿細管再吸収における相互作用
→尿のpHを変化させる薬

遠位尿細管での再吸収は濃度勾配を利用した受動拡散によって行われる。そのため、分子型の薬は再吸収されやすく、イオン型の薬は吸収されずにそのまま尿として排泄される。

そのため、弱酸性薬物、弱塩基性薬物の尿細管再吸収は、尿のpHの変化に影響を受ける。

弱酸性薬物は酸性尿で分子型が増えることから、尿を酸性にする薬との併用では、再吸収される薬が増える。一方、弱塩基性薬物はアルカリ尿で分子型が増えることから、尿をアルカリにする薬との併用により、再吸収される薬が増える。
（これは、あるpHでは薬剤の分子型：イオン型は？という問題の考え方と同じ）

・弱酸性薬物→酸性尿→分子型増加→再吸収↑
・弱塩基性薬物→アルカリ性尿→分子型増加→再吸収↑

尿を酸性にする薬には、
・アスコルビン酸
・アスピリン
・サリチル酸ナトリウム
・塩化アンモニウム
などがある。

よって塩基性薬物である
・アミトリプチリン
・イミプラミン
・モルヒネ硫酸塩水和物
の分子型を減らし、イオン型を増やすことから、これらの排泄を促進させる。