FENa(ナトリウム排泄分画)と計算式について

FENaとは(ナトリウム排泄分画)

FENa(fractional exretion of sodium)とは、「糸球体で濾過されたNa量のうち、最終的な尿中に排泄される割合」が何%であるかあらわす値。尿細管でのNa再吸収率の指標となる。

今回はNaについてだが、FE(X) という風にXを変える事で指標として使う。

原尿量(=GFR) は正常値 120mL/min であり、尿量は変動幅が大きいが約 1mL/min なので、FE(X) が 1% を下回る物質は、水に比べて捨てない物質となる。つまり人体にとって有用な物質である。(健常者では99%再吸収されるということ)

FENaは、正常では1%未満。FE は糸球体以降だけの話なので、腎前性ではNa再吸収↑を反映し、FENa低値(FENa<1%)を示す。一方、腎性腎不全や急性尿細管壊死などの場合はNa再吸収障害によりNaの排泄が上昇する。よってFENa>1%となる。

FENaの計算式

FENa = Clr(Na) / Clr(Cr) 

Na 排泄分画(FENa)(%)= (尿Na×血清Creat/血清Na×尿Creat)×100

FENa = (UNa÷PNa) ÷ (UCr÷PCr) × 100

FENaの計算式は、色々な方法で現されるので自分の理解しやすい計算式を使ってみてください。

医師国家試験での類似の計算問題出題

医師国試106-I-80(尿酸排泄率:FEUAの計算)

高尿酸血症患者の検査結果を示す。
尿酸排泄率〈FEUA〉を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

【尿所見】
pH 5.5、
クレアチニン80mg/dL
尿酸34mg/dL

【血液生化学所見】
クレアチニン1.0mg/dL
尿酸8.0mg/dL

解答・正解

正解:5.3 

尿酸排泄率:FEUA
=(尿中尿酸/血中尿酸)÷(尿中クレアチニン/血中クレアチニン)×100
=(34/8)÷(80/1)×100=5.3125
よって、5.3%

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