ステロイド外用薬の強さランク一覧、過去問での問題演習

ステロイド外用薬は、皮膚への抗炎症薬として頻繁に使われています。また体内への吸収度の違いにより、5段階のランクに分けられ使用する部位や皮膚疾患の状態によって使い方が違います。

薬剤師としては、適切な薬の選択と患者さんへの説明が必要であるため、薬剤師国家試験での実務複合問題に出題されてきています。(99回-334)

そこで、ステロイド外用薬の強さを一覧にまとめた後に例題として過去問を掲載したいと思います。

ステロイド外用薬の強さランク一覧まとめ

ステロイド外用剤は、効力により下記の表のランクに分類される。

強さの呼び名 説明
Ⅰ群 Strongest 作用が最も強力
Ⅱ群 Very Strong 作用がかなり強力
Ⅲ群 Strong 作用が強力
Ⅳ群 Mudium 作用が中等度
Ⅴ群 Weak 作用が弱い

Ⅰ群 最も強力(Strongest)のステロイド外用薬

クロベタゾールプロピオン酸エステル(商品名:デルモベート)
ジフロラゾン酢酸エステル(商品名:ジフラール、ダイアコート)

最も体に吸収されやすい成分を使用。含まれる成分量は少ないが、作用が強いため原則として子供には処方されない。

Ⅱ群 かなり強力(Very Strong)のステロイド外用薬

ベタメタゾンジプロピオン酸エステル(商品名:リンデロンDP)
ジフルコルトロン吉草酸エステル(商品名:ネリゾナ)
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル(商品名:アンテベート)
フルオシノニド(商品名:トプシム)

Ⅲ群 強力(Strong)のステロイド外用薬

デキサメタゾンプロピオン酸エステル(商品名:メサデルム)
デキサメタゾン吉草酸エステル(商品名:ボアラ)
ベタメタゾン吉草酸エステル(商品名:リンデロンV)
フルオシノロンアセトニド(商品名:フルコート)

Ⅳ群 中等度(Mudium)のステロイド外用薬

アルクロメタゾンプロピオン酸エステル(商品名:アルメタ)
ヒドロコルチゾン酢酸エステル(商品名:ロコイド)
クロベタゾン酢酸エステル(商品名:キンダベート)

Ⅴ群 弱い(Weak)のステロイド外用薬

プレドニゾロン(商品名:プレドニゾロン)

ステロイド外用薬の使い分け

・通常はⅢ群〜Ⅴ群のランクを用いる
・激しい急性病変にはⅠ群〜Ⅱ群を用いる
・顔面や皮膚の薄い頸部では、Ⅲ群〜Ⅴ群ランクを用いる
・小児にはⅣ群〜Ⅴ群ランクの薬剤が第一選択となる

ステロイド外用薬についての過去問(99回-334)

問題334(実務ー複合)

医療安全確保のため、病院での採用医薬品品目数を増やさない努力をすることが奨励されている。今回、薬事委員会でジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム0.1%を採用することになり、同種同効の医薬品を採用品目から削除することとなった。削除対象として適当な薬剤はどれか。1つ選べ。

1 ジフェンヒドラミンラウリル硫酸塩軟膏4%
2 プレドニゾロンファルネシル酸エステルゲル1.4%
3 クロタミトンクリーム10%
4 クロトリマゾールクリーム1 %
5 フルオシノニドクリーム0.05%

解説:正解 5

ジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム 0.1%は、「very strong」のランクに分類されるステロイド外用薬。選択肢の中のフルオシノニドクリーム 0.05%は同じく「very strong」に分類される。同種同効薬であるため、削除対象としてみなされる。

1 ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン薬
2 プレドニゾロンはstrongに分類されるステロイド薬
3 クロタミトンは鎮痒薬
4 クロトリマゾールはアゾール系抗真菌薬
5 フルオシノニドはvery strongに分類されるステロイド薬

ステロイドの関連ゴロ 

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