薬学生が就職活動を始める前に読んでおきたい記事まとめ

就職活動をこれから始める薬学生に相談を受けたとき、「この記事読んでみては?」とおすすめする記事を引用して、私なりに考えた就職活動のステップを紹介します。

一般企業を含めた大きな就職活動について書きました。基本的には大きな違いはないですが、薬局や病院就活は少し特殊だと思うので、また別の機会に選び方など書きたいと思います。

就活とは、答えのない問に向き合い、納得解を導きだすこと

就職活動を一言で表すとしたら「就活とは、答えのない問向き合い納得解を導きだすこと」だと思います。赤字にした3点が大切だと考えいるので少し掘り下げてみます。

答えのない問とは

薬学生をしていると、ほとんど必修科目でカリキュラムも国家試験を受験するために作られ、どの大学でもある程度同じ道を歩んでいると思います。「選択する」「決断する」という行為をほとんどしないでも生きている環境に今まではいたのです。

しかし、就職活動を通して出会う人は誰も「あなたの答え」を知りません。強いて言えば数年後や10年後に「就職活動で選んだ選択は○○だったな」と自分自身が振り返った時に、ようやく答えが見えるはずです。

なので、これから行う就職活動は正解を他人に求める物ではないことを、1番始めに理解すると良いと思います。また、6年生になり薬剤師国家試験を勉強し始めると、答えがある問にいかに効率よく辿り着くか?という世界になるので、学生生活で最後の答えのない問へ向き合う時間になることを覚えておいてください。

向き合うということ

たまに薬学生の中で、卒論や国試勉強で忙しいし、どこでも就職できるから適当に受かったところで良いや。という人がいます。絶対に辞めた方が良いです。

就職活動をして良かったと思うことの1つが「自分と向き合い、過去を内省できたたこと」です。どうしても薬学生を6年間過ごしていると、エスカレーターに乗っているようで立ち止まって自分と向き合うことをする時間や機会がありません。

「なんで薬学部に入ったんだっけ?」「本質的にやっていて楽しいことってなんだろう?」と人生を振り返ることができるのは、就職活動の良い機会だと思います。

自己分析は自分と向き合ってみること

人材紹介のサービスを使うと就活コンサルタントの方などに相談する機会があると思いますが、まず聞かれるのは「あなたはなぜ、どんな業界や会社を希望されるのですか?」ということ。そう。コンサルタント(相談を受ける側)もあなた自身ではないので、自分の軸を持ってきてもらわないと、それに適した会社を紹介しようがないんですね。

そんな1番大切である自己分析の糸口になりそうな記事と引用を紹介します。

好きなことを動詞にしてみる。会社に入って何を身につけるのか、職能を選ぶ。
靴がすき、カバンが好きということではない。考えるのが好き?人を引っ張るのがすき?人を集めるのが好き?
USJ大ヒット仕掛け人の就活論 「会社と結婚するな」

僕が働いているクックパッドでは、何かに取り組むときに、それは「三つの輪」が重なっているのか、という話をよくします。「三つの輪」は、「やりたい」「得意」「やるべき」の輪。

自分が心から情熱を持って取り組めること(やりたい)、かつ、一番になれること(得意)、かつ、会社に貢献できること(やるべき)、それら三つが重なるところを見つけて、そこに集中して取り組もう、という考え方です。
やるべきことの見つけ方とそのときに一番大事なもの

自分の根っこにあるものを、さらけ出すこと
やりたいことをやるのではなく、違うなと思ったことをやめていく。greenz.jpプロデューサー塚越暁さんが「子ども原っぱ大学」を立ち上げたあと

納得解を導きだすこと

自己分析で自分と向き合えたら、自分に合っている企業を探す段階に移ります。もちろん、100%自分の希望通りの企業なんて所はないので(恋人と一緒ですね)、最終的に納得できる会社を探すということばの方が合っていると思います。

そこで、重要なのは自己分析で考えたことの優先順位付けです。何万とある企業の中から、エントリーするだけで最低でも数社〜50社程度まずは絞るために、何が企業選びをする上で大切なのかを考えてみてください。

先日、ファーストキャリアの選び方について問われた時の、私の回答も「次の4つが身につく場所かどうかという視点で選ぶべし」というものでした。
1. リーダーシップ
2. 生産性の概念
3. マーケット感覚
4. 自分のアタマで考えるスキル
最初に働く場所の選び方(ちきりん)

先輩やコンサルの使い所は、自分の知らない選択肢を教えてもらうこと

人は自分が知らないことについて考えることはできません。そこで、他者の知識を借りましょう。ここで重要なのは、決して決断を委ねる訳ではなく、自分の選択肢に取り入れるための種を貰うだけです。

さすがに数万社の企業はあるので、自分の視野に入ってくる企業だけしか知ることができません。なので、必然的に大企業や「広告がうまい企業」や「求人サイトにお金をかけて上位表示している」企業が目に入ってきます。採用活動にお金をかけることの出来る企業が、自分の軸と最適な場合は良いですが、そうではない場合は違った探し方をする必要があるでしょう。

薬ゴロでも、小さなキャリアセンターを作るべく先輩から企業情報を集めています。管理をしている私自身も「こんな企業あったんだ!」「名前知らなかったけど良さそうな病院だな」ということが良くあります。そんな企業を知るキッカケとして薬ゴロ就活Line@も活用して頂けれると嬉しいです。

志望企業に入社するためにするべきこと

自分の選択肢に入った企業がある程度決まったら、企業分析をすると思います。その時は、ぜひIR情報や製薬企業ならパイプライン、中長期計画を調べてみてください。内定者の友達に聞いてみると、意外にもIRや中長期計画、マーケット分析と競合調査などしている人はあまりいませんでした。これは1つの強みにもなり得ます。

企業分析をIR情報から的確に指摘している分かりやすい記事「「ライザップ」決算資料から浮かび上がる、ある懸念

自分でその企業や事業に対して咀嚼して、課題認識と自分なりの問題提起や、自分が価値を発揮できることを提示すれば就活は勝ちだと思っています。面接官の方と、事業について対等に語れる最低レベルの知識をインプットしておき、あとは楽しく業界について話すことを意識していました。

もし専門外の企業に就職したいなら

これは特殊な例になりますが、薬学生で医薬品が全く関係ない業界に就職することを考える方への提案です。(私がIT企業やインフラ企業の新規事業部へ内定を頂いた経験から)それは、小さいことでも良いから実績を作るということです。

小さい行動で良いので、業界がしている仕事を実践してしまうのです。また、就職活動は数ヶ月に渡って行うことが多いので、その期間の中での成長や実績の角度を具体的に示すことができれば、「現在の実力」ではなく「伸びしろ」に視点が移るのでより良いと思います。

「最近、何やっているの?」という質問に対して、毎回進捗を変えて出せるように行動することが大切です。

企業には、ひとつのポジションに対して100件を超える応募が集まることがある。その膨大な量を処理できる数字にするためには、候補者を除外する何かしらの方法が必要になる。「大学院の学位が必要」「5年以上の経験が必要」などと記載することが、それを実施する最良の方法なのだ。

彼らは、「右も左もわからない応募者の書類に目を通すのは勘弁してほしい。5年以上経験がある人間なら、この仕事をこなすことができるだろう」と考えている。

でも、彼らが抱える課題を解決できるということを証明できれば、君は瞬時に自分を非コモディティ化することができる。そうすれば、紙の上に書いてあることは大した意味を持たなくなる。これはまさに僕自身が、修士号、MBA、学んだことがない教科の学位、より豊富な経験などが必須だとされる仕事で、面接に進み、採用されてきた方法だ。

では、君が彼らの課題を解決できることをどうやって証明するのか?採用される前に、その仕事をやってしまうことだ。
理想の仕事を手に入れるための方法(仮に君にその応募資格がないとしても)

自分のアタマで考え、仮説を立証するために行動しよう

最後に、自己分析で深めた考えや企業分析で得た知識は、今のままでは仮説でしかありません。噂を自分の足で稼いで、1つ1つ咀嚼することで納得解に近づきます。人から聞いた話しや、誰かが話していたコトバを鵜呑みにするのではなく、1次情報を手に入れて自分のフィルターにかけることで、面接でも自分に対しても説得力のあるコトバになるはず。

「あの会社は福利厚生が良いらしい」
制度だけかもしれないので、実際に育休している人とランチのアポをとる。

「実務実習で薬局は合わないと感じた」
薬局といっても調剤・OTC・漢方相談・在宅・派遣・卸の管理薬剤師と幅広いです。1つの業態で決めつけるのではなく、見学や2日間くらい実習をさせてもらい比較対象の薬局を作る。

「薬剤師の対応の質が良いらしい」
病気をして処方箋を手に入れたら、就職希望の薬局にいって、「患者」として色んな質問をしてみる。

何か相談や質問があれば「薬ゴロ就活Line@」までお願いします。

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