シトクロムP450の分子種についてまとめ
薬剤と衛生の代謝の範囲で、CYPについて横断的に出て来ているため、まとめてみる。関連する医薬品は、内部リンク先にまとめてCYPの基質や特徴について記載する。
CYP1A1、CYP1A2
3-メチルコラントレンや、ベンゾ[a]ピレンなど多環状芳香族炭化水素が核内受容体に結合すると、CYP1Aの転写を促進する。基質はベンゾ[a]ピレンやTrp-P-1。
喫煙で誘導されることから、ベンゾ[a]ピレンを思い出す。
CYP2B
実験動物では、フェノバルビタールで誘導される。
CYP2C9
環境の代謝分野では、特記事項なし。薬剤の対策のために、CYP2C9の医薬品を覚えるべし。
CYP2C19
遺伝的多型あり。日本人におけるPMの頻度は20%。
CYP2D6
コデインが有名。
CYP2E1
「CYP2E1」と来たら、飲酒。エタノールで誘導される。他にジメチルニトロソアミン。
CYP3A4
グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類によって阻害される。よって、Caチャネル遮断薬やシクロスポリンなどの血中濃度上昇、AUC増大をもたらす。
アフラトキシンB1は、CYP3A4によるエポキシ化を受けて代謝活性化される。
イトラコナゾールやシメチジンにより、ヘム鉄に配位結合され阻害。
「CYPのヘム鉄への配位結合(可逆結合)」
・シメチジン
・イトラコナゾール
・アルコナゾール
「CYPのヘム鉄への共有結合(不可逆結合)」
・エリスロマイシン→代謝物や中間代謝物
CYP3A7
CYP3A7は胎児型のp450。胎児期に発現する珍しい。